『あたらしい自分を生きるために』が教えてくれた、「アサーティブでいようとする」姿勢の優しさ

本の紹介

はじめに:ちゃんとできなくても、“伝えようとする”ことが大切

「言いたいことを言えない」
「相手を傷つけたくなくて我慢してしまう」
そんな経験、きっと誰にでもありますよね。

私もそのひとりでした。そして今もそうです。
でも森田汐生さんの
『あたらしい自分を生きるために ― アサーティブなコミュニケーションがあなたを変える』
を読んで、少し気持ちが軽くなりました。

この本に書かれていた次の言葉は、特に私の心に残っています。

・間違ってもいい
・考えが変わってもいい
・アサーティブでいなくてもいい

“ちゃんとできなくてもいい”
──その言葉に、私はとても救われました。

それでも、「伝えよう」と思うこと。
その姿勢こそが、やさしさの始まりなんだと感じたのです。


アサーティブとは、「やさしく、率直に伝える」こと

アサーティブとは、
自分の気持ちを大切にしながら、相手の気持ちも尊重して伝えること。

ただ「はっきり言う」ことでも、「我慢する」ことでもありません。
「誠実・率直・対等・自己責任」という4つの柱に支えられた、
人と人との“関わり方”です。

  • 誠実であること:自分の気持ちに正直でいる
  • 率直であること:思っていることを素直に伝える
  • 対等であること:自分も相手も尊重する
  • 自己責任を持つこと:自分の言葉と行動に責任を持つ

この4つを意識すると、
「どうすれば自分も相手も大切にできるか」が見えてきます。
そして、この本はその考えを、やさしく日常に落とし込んでくれます。


「アサーティブでいなくてもいい」──その優しさに救われた

もちろん、アサーティブに生きることは理想です。
ただ人間ですから、いつもうまくいくわけではありません。

感情的になったり、沈黙してしまったり、そんな日があってもいいんです。   

この本の中には”アサーティブネスの12の権利”という記載があります。    
その中で「私にはアサーティブではない自分を選択する権利がある」という言葉が、
私の中の「ちゃんとしなきゃ」という緊張をゆるめてくれました。

アサーティブでいようとするその気持ちや姿勢こそ、
すでに自分を大切にしている証なんだと感じました。


対等であること──“思いやり”と“自己尊重”のバランス

親子でも、職場でも、どうしても「立場」を意識してしまいます。
「親だから」「上司だから」「後輩だから」。

でも、対等であることとは、
立場をなくすことではなく、“お互いを人として尊重すること”。

相手の気持ちを思いやりながら、自分の気持ちも大切にする。
このバランスを意識すると、
人間関係がふっとやわらかくなるのを感じます。


アサーティブでいようとする、その姿勢こそが大切

この本を読んで感じたのは、
「アサーティブを完璧に習得しようということ」よりも、
「アサーティブであろうとする気持ち」がまずは大切だということ。

それは、相手を信じ、自分を信じるということ。
「伝えてみよう」と思う、その小さな勇気が、
人とのつながりを優しく変えていくのだと思います。


日常に活かせる“小さな一歩”

この本には、すぐに試せる“伝え方のヒント”もたくさん紹介されています。

たとえば―― 「I(私は)」メッセージや DESK法という方法です。

  • 「断りたいけど言いにくい」
     → 「今は難しいけれど、またお手伝いできるときがあれば嬉しいです」
  • 「感謝を伝えたいけど照れくさい」
     → 「あのとき助けてくれて本当にうれしかったです」

小さな一言が、
“自分も相手も大切にする関係”を育てていくのだと感じます。


おわりに:優しさは、無理をしないところから

アサーティブに生きるとは、
「強くなる」ことではなく、「やさしくなる」こと。

うまくできない日があっても、それでいい。
それでも「伝えよう」と思えること。

その気持ちこそが、
“あたらしい自分”を生きる最初の一歩なんだと思います。


書籍情報

📘 『あたらしい自分を生きるために ― アサーティブなコミュニケーションがあなたを変える』
著者:森田汐生
出版社:日本・評論社
ページ数:144ページ

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